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トップマッチレポート>プリンスリーグ2008 対談レポート 第1回
Match Report マッチレポート
2008/5/11

プリンスリーグ2008 対談レポート 第1回

安藤隆人(サッカージャーナリスト)、菊地芳樹(本誌) 構成

各地域でプリンスリーグがスタートし、ユースサッカー界も新シーズンが本格的に動き始めました。今回はそのユースサッカー界を実に精力的に取材している、安藤隆人氏を迎え、今年の現状をレポートします。


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春先はチームではなくて
選手を見ると面白い

菊地 以前は春先に強かったチームが、そのまま注目され続けていたと思うんですけど。プリンスリーグも始まって、今はそういう見方でもないんですよね。

安藤 基本的に、春先はJユースと高校チームの差が大きいんです。やはり高校チームは選手権でメンバーが変わって、チーム作りが遅れますからね。ただ、高校生って1試合毎に変わるっていわれていて、短期間で伸びる選手もいる。だから当然その差も、試合を重ねるうちに埋まっていく可能性があるわけです。大体、秋の高円宮杯の頃には、高校チームとJユースの差って、そこまで歴然としたものではなくなりますから。
  それで、高校チームの場合は、鍛錬して強くなっていくという感じなんですが、Jユースの場合は、どうしても育成に目を向ける面もあってか、チームを完成させようという感じではない。それが、差が埋まってくる要因でもあると思います。圧倒的な個人能力の差で、春先は差が出る。そこから、どんどんチームの戦術が浸透したり、キーになる選手の成長もあって、高校チームが追いついていく。

菊地 するとこの時期は、チームというよりも選手が目立つ感じなんですかね。

安藤 そうですね。基本的に春にチームを見ようというのが間違ってると思います。むしろ、この選手ってこんなプレーするんだとか、この選手面白いなとか、この選手成長してないなとか、そういったところを見るべきだと思います。勝ち負けとかよりも、そこだけを注目して見てますね。そうやって見ると面白い選手って、意外といるんですよ。みんなは、なんか最近はいい選手がいないとか言いますけど、いるんですよ。

菊地 面白いっていうのは、具体的にどういうプレーをするんですか。

安藤 僕は、考えを持ったプレーをする選手が好きなんです。試合中であっても練習であっても。シュート練習中でも、ただ漠然と蹴らないで、わざと体制がキツイうちに打ってみたりとか、速いボールが来ても回り込まずに打ったとか。試合でも、ボールを受ける前にワンフェイク入れたとか。成功するかしないかは別として、何かちょっと面白いことをやっている選手ですね。60分の試合でも、必ず何プレーかはあるんです。
  そういうプレーをした選手を覚えたうえで、今度は1カ月後、2カ月後にまた見るんですよ。すると、違いって歴然としている。春先にできなかったプレーが、できていたりする。それは、その選手が意識を持ってプレーしていたから、できるようになったんだともいえるわけですよね。

菊地 例えば、昨季大活躍した大前元紀(流経大柏高→清水)。彼はやっぱり最終的に目立った選手なわけですけど、彼の春の状態はどういった感じだったんですか?

安藤 僕が初めて見たのは、彼が高校2年生のときだったんですけど、一番印象に残っているのは、何でもシュートをきれいに打とうとしていたことですね。自分の理想のフォームを持っているんだなというプレーをしていました。ボールの受け方にしても、トラップにしても、必ず自分の理想的なミートポイントに置くことに一生懸命。だからミートポイントに置いたときのシュートっていうのは、すごいシュートを打つ。でも、ミートポイントに置こうと考えすぎるあまり、タイミングが遅れたり、ステップが遅れたりして、敵に体を寄せられる。そういう循環が続いていました。
  それが、昨年のプリンスリーグのFC東京戦を見たら、シュートのタイミングがめちゃくちゃ早くなっていて、その試合でハットトリックしたんですよ。以前だったらワンバウンドしてボールが落ちてくるのを待って打っていたところを、落ち際で打つシュートを決めて2点。もう一つは背後からのスルーパスをダーっと走って、ワントラップしてドン。以前だったら、トラップしてもう一回ミートポイントに置いて打ってたのを、一つ早いタイミングで打てるようになっていた。これは、面白いと思って、彼はゴール量産するんじゃないかという、記事を書きましたね。

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