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菊地 サッカーメディアって、Jリーグを俯瞰(ふかん)で見る人たちが圧倒的ですよね? ただ、その俯瞰の記事って、今Jリーグを熱心に読む側の人たちにとってはあんまり面白くないわけですよ……。読者の中に、どこかのチームに入れ込んでるファンがすごく多いですから。そこに、ものすごく読者と作り手の気持ちの違いが出ている感じがします。作り手側もそれはわかっていながら、でも読者の入り口を広げるためには、俯瞰的だったり、ライトな情報を入れなきゃという理由で、事態が膠着しているような。
清水 そうですね。常にご新規さんの入り口を作っておかないと、業界全体が先細りすることになる。そうなれば既存のファンにとっても不利益なこと。
菊地 だけど今、Jリーグはコアなファンたちの間でお金が回っていて、新しいものがなかなか入ってこない状況でまとまり始めている。そこで、もっとお客さん、読者を増やすためには、何かが必要なんだけど、そういう情報の面白みっていうのがどこなのかな? って、みんながここ何年かずっと探しているんだよね。
中林 一般紙の読売や朝日の人たちに聞いたんですけど、サッカー好きはあえてサッカー担当から外されるらしいんですよ。思い入れが入っちゃうから。現在のサッカー担当の人は、あまりサッカーをわからない人が多い。でも、そこは完全に不健康だと思いますね。サッカーを知っている人がいないわけじゃないのに、あえて担当を外れて野球を担当したり、別のスポーツの担当をしたり……。
岡田 その辺は難しいですよね。思い入れがありつつ、冷静に書ける人がいるかどうかは。
中林 けど、イギリスとかだと、一般紙でも自分はどこのファンだとか名乗って、原稿を書いてるじゃないですか? それでもいいんじゃないかなって気はします。
岡田 見てる人は、リーグ全体を俯瞰で見る人ってあまりいないんですよね……。スカパーの番組作りも俯瞰で見た作りになっていると思うけど、実は、GGR(Go! Go! REDS)を流した方が需要があるかもしれない。浦和のファンだったら、浦和についての情報が見たいわけで、名古屋や鹿島がどんなにいいサッカーをしてても、わりとどうでもよかったりする。
清水 クラブの地域密着もいいけど、行きすぎると地域鎖国みたいな感じだなあ……。全部がその要求に答えてしまうと、売れる部数は上がっても業界全体が弱っていく気がする。
スカパーといえば、試合中継でも苦労しているらしいですね。ホームのファンは、TVを見ないで直接スタジアムへ行っちゃうわけだから、スカパーはアウェーを応援するファンをターゲットにしていると。いくら浦和でも、関西でやってる試合に5万人も押しかけるわけじゃないですから。アウェーはTV観戦がメインになりますよね。ところが、制作担当者は現地の人間なわけですよ。そうなると、例えば浦和がG大阪のホームに乗り込んで試合をしているときに、現地のG大阪寄りのトーンで中継を進めちゃうからうまくいかないと。困ったもんです。
岡田 ファンの感覚と記者席の感覚が離れすぎているんじゃないかな。だから、普通に試合のことを俯瞰で書いてる専門誌も、立場的にどこに行っていいのか、難しいと思いますよ。
菊地 見ている土俵が違うからね。逆にメディアは、我々はこの土俵ですよっていうのを明らかにする。例えばですけど「完全客観ですよ」と示すと。簡単だけど、一つの方法としてはありますよね。
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