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北 今日は安田のクロスから前田のゴールが決まりましたけど、ここまでの試合で何本もあって、やっと決まったわけじゃないですか。クロスに行くまでの過程はいいのに、敵に引っかかったり、味方と合わなかったりというシーンが多過ぎるのでは。
西部 クロスは必ずこの場所に蹴ろう、というのをチームの約束事にしてしまうのも一つの手だよね。ヨーロッパのチームでも中を見ないで蹴ってるところもある。迷ったらそこに入れるという場所を決めておく。
北 それって、ある意味でセットプレーに近い状態ですよね。日本のゴールはセットプレーからたくさん生まれているから、そうやって、インプレーでもセットプレーのような状態を作り出せればゴールにつながるのになって。
西部 サイドからのクロスに関していえば、いちばん手っ取り早いのはゴールエリアからペナルティースポットの間に飛ばすことですよ。そこがいちばん入れやすい。ゴールの正面だから、GKの正面に行かない限りは入る。シュートのアングルも広いから、多少失敗しても枠には行く可能性は高い。
北 確かにそうですね。
西部 ただし、実際に中を見ていれば、中の状況に合わせたほうがいい場合もあるからケース・バイ・ケースですけどね。
北 もう一つが引いてきた相手の崩し方。今日の北朝鮮みたいに、人数をかけてブロックを作って守ってくることは、3次予選でもあると思うんですけど、どうすれば点を取れるのか。
西部 DFラインって大体ペナルティーエリアのちょい外ぐらいで止まるじゃないですか。そこを正面から攻めようとしても、ラインの前のスペースはボランチがカバーしているし、外からミドルを打とうとして30メートルぐらいあるから確率は低い。
だから、どうにかしてDFラインを下げる必要がある。そのための方法はいろいろとあると思うんだけど、いちばん手っ取り早いのはサイドに起点を作ること。例えば中村憲剛が右でボールを持っていたら、内田が外側をピューッと回っていく。そうするとDFは内田をつかまえようとするから、DFラインもそれに従って内田より後ろか同じ高さになる。
内田がペナルティーエリアよりも深い位置に回っていくことによってDFラインが押し下げられる。そうすると中盤とのスペースが空くからそこを使って攻める
北 ミドルを打ったり、ドリブルやワンツーを仕掛けていったり。
西部 シュートエリアになるから、DFラインは押し上げようとしてくる。そうするとDFは“動いている状態”になる。シュートを例に出すとわかりやすいけど、GKが両足を着けて止まっているときは、かなりいいコースに打っても反応されちゃう。ただ、飛び出してきたり動いているときは、40センチ横蹴られても動けないもの。
北 敵の重心の逆を取るということですね。
西部 クロスを入れたっていい。DFが後退している状態で、DFの1メートル前にボールを出されたら足は出ない。だから、スペースがない、ないっていうけど、DFが動いていれば1メートルもあればOK。だから、敵のDFを動かすのが絶対条件。
北 なるほど。
西部 それを今いちばんうまくやってるのがアーセナルだよね。DFをすごくうまく動かしている。サイドチェンジをしたときって、DFは等間隔に動くわけじゃなく、出たボールに近いほうのDFが速く動く。そうするとゴムが伸びた状態になって、DFラインの間にスキ間ができる。ただし、アジアカップのときでも、敵のDFを動かすところまではある程度できていた。ただ、岡田さんも会見で「アタッキング・サードでどうするか」といっていたけど、そこでのアイデアが課題。
北 今日は田代が走りながら縦に入ってきたパスを、ゴールに背を向けた状態でヒール気味に播戸にパスしたというプレーがあった。シュートまではいけなかったけども、ああいうアイデアをもっと見たい。
西部 日本の今の攻撃のやり方だと、そこを狙わないと点を取ることが難しくなっちゃう。3次予選では絶対引かれるんだし、今日みたいに先に1点取られたらマズイよ。
北 これが本番じゃなくてよかったという試合でしたね。
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