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小池 ボールだね。
菊地 ボールですね。
小池 遠藤のゴールもタイの同点ゴールも、ボールの影響がすごくあるんじゃないかな。
菊地 川口能活は何かいってた?
清水 「ボールがブレたような変化をした。いいシュートだった」っていってましたね。
小池 ウィノータイのシュートはボールがちょっとはずんでた。少し浮いたボールがちょうど足首のところにグサッと入ったんじゃないかな。あのボールはすごく“かむ(グリップする)”ので、ボールがズルッと抜けて回転がかかるようなことがなく、無回転に近くなっていい具合にブレて落ちたんじゃないかと。
清水 ……つまりマグレだったと(笑)。
小池 まぁでも打たなきゃ入んないからね。
菊地 遠藤のFKは見事に逆を取りましたね。PKでも逆を取る「逆取りーナ」にはおあつらえ向きの角度だったね。どうやったってあそこに蹴るぞ、たぶん(笑)。
清水 最近の「FKのPK化」はすごいですよね。ただコースを狙うだけじゃなく、きっちり駆け引きで逆を取っていく。
菊地 昔、木村和司さんは「PKにも壁を置け」っていったらしいけどね。壁があったほうが逆を取りやすいと。
清水 なるほど……。
小池 遠藤のFKは2本あったけど、あの1本目はさ、スパイクにギュッとかんでて、ブレーキがかかるようなボールだったでしょ。完全にこすりにいくようなキックだった。
清水 インパクトとフォロースルーだけで、ボールをこすってファーサイドに持っていきましたよね。助走と踏み込みは完全にニアサイドを狙っているのに。
菊地 あれこそ、リケルメキックですよ。2月12日発売本誌の「FKラボ」で特集してますよ(笑)。
小池 2本目(前半39分)は外れちゃったんだけど、ボールの右側にもう少し厚めに足を当てていた。回転は少ないんだけど、でも曲げたい。そういう蹴り方だったね。
菊地 バラック蹴りですね。ウチの「FKラボ」所長の福永泰氏は、「インサイドを開き気味に当てて、最後に閉じる」なんていってたけど。そんなことできるのか? と思ったけど(笑)。
小池 昔さ、ロベルト・カルロスがアウトにかけたすごいFK決めたでしょ。97年、トゥルノワ・ド・フランスのフランス戦で。あれもこすりにいったキックじゃなくて、ドーンとぶつけて、そのボールに当てる足の角度で曲げた。アウトとインの違いはあれ、イメージ的にはそれに近いのを遠藤も蹴ろうとしたのかなと。
菊地 しかし、あのボールは無回転には向かないですよね。
小池 出ないねぇ。ボールの外側のパネル自体にも反発材が入ってるから、すごく飛ぶボールなんだけど。タイの1点目のように転がっている状態のほうが、“かむ”というボールの特性でいうと無回転が出やすいのかもしれない。
菊地 どうでしたか、中澤のヘッドは。
小池 あれはもう、ヘディングした直後に笑ってたよね。中澤は。あの瞬間に「入った!」と思ったんだろうね。左サイドから中村憲が右足で蹴ってカーブをかけたボールは、当たりが薄くてもファーに流れ過ぎないって中澤はわかっている。これが本誌でも取り上げたことがある「ビリヤード理論」「ビリヤードヘッド」なんですよ。
菊地 相手を抑えてのジャンプといい、ビリヤード理論の角度といい、完璧なヘディングでしたね。秋田豊や小村徳男の力強いヘディングもすごかったけど、中澤もヘッドアーチストに任命していいんじゃないですか(笑)。ちなみにあのキックを、左利きの中村俊輔が蹴ったらどうなるんですか?
小池 その場合は回転が逆になるから、ファー側へボールが流れやすくなって、当たりが薄いとゴール枠を外してしまう。厚く当ててニアサイドを狙うイメージでいくと、よりゴールに近づくと思う。
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