07年8月5日/17:00キックオフ/佐賀・鳥栖スタジアム/観客8000人
市立船橋 4(2-1、2-0)1 星稜 |

主力3人を出場停止で欠き、苦戦が予想された星稜だったが、パスワークに個人技を絡めて前半2分に先制する。しかし、市立船橋は慌てなかった。前半12分、⑩渡部雄史のゴールで追いつくと、29分には⑨若狭友佑が決めて、逆転に成功した。後半に入ると、ほぼ市立船橋が支配する展開。いくつかピンチもあったものの、終盤に加点して、粘る星稜の追撃を振り切った。 |
先日の、準決勝後のレポートで「中盤で見せる個人技やパスワークといったアイデアを、もっとゴールに近い位置で見たい」と書いたが、準決勝はたまたまそういうシーンを見られなかっただけだったようだ。
前半2分、星稜の先制点は素晴らしかった。ダイレクトで3つ4つとつないで、左サイドの⑯朝飛久義がキープ。味方からは「逆サイド!」という声がかかったし、確かに大きく開いた右サイドにはフリーの選手がいたし、タイミング的にも右へふりたくなるところだったが、⑯朝飛は、ブラインドサイドでもなくて、いちばん混み合っているセンターを選択。ヒザくらいの高さの縦パスを送る。送り先は⑨樋本大樹。⑨樋本は後方から来たこのボールを、右のアウトを使って、うまく自分の前側にコントロール。チェックに来た敵を、切り返しで右へ外してゴールへ突き刺した。
星稜は、攻守のエース級の3人が出場停止処分を受けていて、この決勝にはいなかった。確かに、最後は力尽きた感があるが、それでも、随所に得意のパスワークを披露してくれた。特に、1-2とリードされ、ずっと主導権を市立船橋に握られ続けていた後半19分過ぎのこと。
市立船橋が、絶えずボールを持ちながら、「どうしてももう1点」を取ろうとしないような、ちょっと「やっつけ仕事」になってるかな、と感じていたときに、突然スイッチが入った。中盤、左サイドの混戦から、その5分前に入った⑭原田潤也がつついてフリーでゴール前へ抜け出し、左足で強シュート。わずかに左へ外れたが、これで終わりじゃなかった。1分後、今度は右サイドで軽やかに回して左へ。⑪谷川光がためて、さらに左へ回ったフリーの⑭原田へ。今度は決めたかった⑭原田だったが、ニアを狙ったボールは市立船橋GK①上福元直人に弾き出されてしまった。中盤で有利な体勢でボールを持てると、いつでもチームとしての集中力が発揮できるところを見せてくれた。ここで、同点に追いつければ、試合の行方はわからなかっただけに、悔しい決定機2発だった。
だが、市立船橋も多彩な展開の4得点だった。4点はそれぞれ別の選手によるものだ。
1点目は、右からのグラウンダーのパスを、ゴール前で⑪富田学がスルー。受けた⑩渡部雄史が蹴り込んだもの。
2点目は、右のスローインを受けた⑨若狭友佑が、思い切りよく、迷いなくペナルティーエリア内へ切り込み、左足でニアサイドへ、アングルをつけたシュート。
3点目、4点目は、敵が前がかりになったところを、したたかに仕留めたものだが、3点目はパスレシーバーに一工夫があった。やや左サイドの位置で⑩渡部が前を向いてボールを持つと、センターで2人がフリーに。ただし、一発でゴールへ向かえるパスコースがないと判断した⑭渋澤大介は、ニアサイドへ横に動きながらラウンドして、⑩渡部のスルーパスを引き出した。
6試合で18得点2失点。終わってみれば、市立船橋の完勝という雰囲気の大会。数年前までに感じた、ただただ安定感があって憎らしいほど強いというイメージに、個人のテクニックというアクセントを加え、市立船橋が堂々の夏の王者の座についた。
「最後のところで、(出場停止で)いないCBところをつかれた。失点はすべて、ちょっと軽率なプレーが絡んでしまった。市船のほうが、一人ひとりしっかりしていた。こういうチーム相手に、どう受け止めて、パスにつないでいけるか。局面ではやれた部分もあるので、今後はこれをしっかりやっていきたい」(星稜・河崎護監督)
「(大会を通して)6ゲームで18ゴール。たしか9人がゴールしていると思う。個人でどうこうではなく、チームとしてやっていこうと、常々話しているが、そのとおりりやってくれた大会だった。
技術的には、星稜のほうが上だと思うが、普段からドリブルやスキルトレーニングはやっている。ただ、技術、それに肉体面もそうだが、何よりもいちばん大事なのはメンタル。苦しいときに声を出して、チームとしてやれるか、というのをテーマとしてきたが、少しずつ浸透してきたのが、こういう結果になって表れたんだろう」 (市立船橋・石橋靖之監督) |