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トップマッチレポート夏の5大会 マッチレポート>adidas CUP 2007 U-18決勝 G大阪-磐田
Match Report マッチレポート

今年もやります! ジュニア、ジュニアユース、ユース 夏の5大会 マッチレポート

2007/8/6
adidas CUP 2007 第31回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会
決勝 ガンバ大阪ユース-ジュビロ磐田ユース
浅田真樹(フリーライター) 菊地芳樹(本誌) 構成
STRIKER DX名物 対談レポート
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敵に取られないボール回しは
国際レベルで危険

菊地 準決勝2試合を見たときに、浅田さんは「今はこういうスタイルが流行りなんだね」という言い方をしていたじゃないですか。それはどういうところで感じたんですか。

浅田 つなぎですね。要するにバカ蹴りしないところ。まあ、プロ予備軍のチーム同士の戦いの、しかもベスト4を見ているわけだから、他と比較するのも何だけど、例えば高校選手権の1、2回戦だと、DFラインの選手が自分がフリーだろうと何だろうと、とにかく蹴ってしまうってチームがいまだにある。その中でこの4チームには、クリアなのかロングフィードなのかわからないようなパスはほとんどない。DFラインからもきっちりとボールを動かして、つまったらサイドを変えたり、ボランチを使ったりして展開することをすごくよくやっていた。
  磐田にしても、裏にボールを入れて敵を押し下げるという形があるとはいえ、当てて→落として→裏狙いという攻めをやっていた。多少の差こそあれ、4チームともつないで攻めていく意識を共通して感じた。結局、日本人の考えるいいサッカーというのは、こういうことなんだろうなと思ったんだ。

菊地 ボールを大事につなぐというんですかね。

浅田 一方で、今日のG大阪の4点目のように、敵が前がかりになってDFラインのマークがちょっとルーズになれば、1本のパスで裏を狙う場面もある。だから長いボールを蹴らないというわけではなくて、闇雲に蹴っちゃうというシーンがないということ。

菊地 それでも、そのつなぐ部分のディティールに、もっとこだわらないといけないんじゃないかと。浅田さんには、本誌で「ビルドアップ論」という連載をお願いしていますが、これをやろうと思った理由はどのあたりにあるんですか。

浅田 「ウチはつなぎます」とかいいながら、実際にきちんとビルドアップできるチームって、日本にほとんどないじゃないか! と思ったのが始まり。どこで攻撃をスピードアップさせるのかという部分でも、まったくビジョンがないチームが多い。そこは世界のサッカーを見ても、もっときちんとやっていかないといけないのではと。
  極端なことをいえば、例えばバルセロナなどは、1回右から左へ回したボールが、また左から右へ戻ってくるなんてことはない。日本のサッカーは行ったり来たりするよね(笑)。それは、何のためにサイドを変えているのか、どこのマークがズレるから今こうして回しているといった、ビジョンがないからでしょ。ただ、つまったから横へ渡してという繰り返しだから、いつまでたってもボールが前に進まない。

菊地 どこかで横方向のボール回しを、縦方向に変えるスイッチを入れる人がいないといけないですね。

浅田 この点では今日のG大阪の⑩安田や、磐田の23山本も、うまく縦にボールを入れて、チャンスを作っているシーンがあったよね。ただ、ここは縦は無理だから一回戻しておこう、というところで、無造作にワンタッチで出すバックパスが奪われていた。ワンタッチでさばくことはいいけど、決め打ちは危ないな。

菊地 他にディティールの部分で気になった部分は?

浅田 縦パスを通すという点では、ボランチやDFラインの側だけでなく、受け手になるFWたちも大事ということ。後ろで狙いがなさそうに横パスを回しているのは、DFラインだけのせいではない。せっかく後ろが縦パスを出せるいいタイミングになったのに、FWがパスを受けられる位置に顔を出していないシーンも多いんだよね。

菊地 なるほど、そうですね。僕がこの件に関して気になっているのは、「ビルドアップ論」の第1回(07年7・8月号)で出た、敵に取られないボール回しと、敵を崩すボール回しという話ですね。同じ4対2のボール回しでも、通常やる鬼2人を4人が囲んで回すものって、範囲を決めなければ4人の囲みをどこまででも移動させることができるんですよ。これまでの日本のボールポゼッションって、こうした敵に取られないボール回しがほとんどでしたよね。というのも、国内では敵も「回させておけばいいや」という感覚で、ボールを奪いに行きませんから。
  ただ最近では、この手のボール回しは国際レベルになると、どんどんプレッシャーを受けて危ないことになっている。

浅田 それは守備面でも影響が出ていて、国際レベルでは「どうせパスだろう」というところで、1対1で仕掛けられてしまう。日本の試合なんかと敵の前に立ったところで、もう仕掛けちゃダメみたいなね(笑)。はい、パスをつないでくださいというような……。

菊地 暗黙の了解ができちゃってますよね。それじゃあ、DFのほうも上達しないと。

浅田 そう。結局、世界の敵は、1対1でこちらのアプローチが緩かったらスピードで仕掛けてきたり、コースの切り方が甘かったら脇を抜いてくるわけで。

菊地 その点で今回のベスト4のチームは、どこも積極的に1対1を仕掛ける選手が多いように感じたんですけど、一方で対応する守備のほうは拙く見えた。よく抜かれていたし、危ないところで平気でファウルもしていた。思うに、彼らはベスト4まで来て、初めてそうした仕掛けてくる選手と対峙したのではないかと。

浅田 冒頭でゾーンとゾーンの間のスペースの話が出たけど、今日はそこをパス回しに使われたけど、例えばアフリカの選手たち相手だったら、プレッシャーが緩ければ素早く前を向かれて1人にそのラインを突破されちゃうかもしれないからね。

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