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トップマッチレポート>2007 Jリーグヤマザキナビスコカップ 決勝 ガンバ大阪-川崎フロンターレ

Match Report マッチレポート


2007/11/4

2007 Jリーグヤマザキナビスコカップ

清水英斗(本誌) 取材・文

決勝
11/3(土)/13:39キックオフ/東京都・国立競技場/観客41569人/試合時間90分
ガンバ大阪 1(0-0、1-0)0 川崎フロンターレ

得点者
(ガ)安田
ゲームのあらすじ
ゲームの立ち上がりは、川崎がすさまじい勢いで攻め込む。FW⑩ジュニーニョは敵DFの⑤シジクレイをスピードで圧倒し、相棒の⑯鄭大世と共に多くのチャンスを得たものの得点には至らず。一方のG大阪は後半から布陣を変更し、リスクを負って流れを引き戻そうとする。そして迎えた後半10分、右サイドから⑱バレーの低いクロスを⑬安田理大が押し込んで先制。その後、巧みな試合運びを見せるG大阪の前に、川崎は同点弾を叩き込むことができず、1-0のままタイムアップ。G大阪が悲願のナビスコカップ初優勝を果たした。

攻撃サッカーを指揮する、"マインド"の違い

川崎とG大阪。共に「攻撃サッカー」を売り物にしていて、個人の能力もJトップクラスの2チームだが、その基本となるマインドには大きな違いがあった。

一言で表現するならば、「インテリジェントサッカー=川崎」、「クリエイティブサッカー=G大阪」か。

まずは立ち上がりの川崎。G大阪のパスサッカーを研究し、高いラインを保って中盤をコンパクトにしてプレッシャーをかける。さらに3-5-2システムを敷き、両サイドの⑲森勇介&②伊藤宏樹がスペースを埋めて、21加地亮&⑬安田理大が上がってくるG大阪のサイド攻撃を封じた。さらに攻撃面では、2トップの⑩ジュニーニョ&⑯鄭大世に早めの縦パスを供給。G大阪のディフェンスは常に⑥シジクレイが1対1で⑩ジュニーニョに対応する形にさせられ、スピードに難のあるシジクレイは何度も突破を許す。

こうして前半途中まで、川崎は、立てた完璧な戦略がハマり、G大阪を、パス回しを封じて自陣に釘付けにした。また川崎は、ポジションチェンジを頻繁に繰り返すようなモダンなサッカーではなかったが、相手の利点を消しつつ、味方のキープレーヤーを生かすサッカーを展開。相手によって戦い方を変えることができる、智将・関塚隆監督率いるインテリジェンスがG大阪を圧倒した。

しかし、ハーフタイムを迎えると、この状況を打開すべく、G大阪の西野朗監督がサプライズ布陣を決行した。

⑩ジュニーニョ、⑯鄭大世の2トップに対して、どうにも分が悪かったディフェンスラインにてこ入れを行った。4バックの左サイドに入っていた⑬安田を一列上げてMFに、そして21加地を最終ラインに残して、⑤シジクレイ、⑥山口智と共に3バックを組ませる。川崎の2トップに対して1人カバーリングを余らせる形だ。さらに⑦遠藤保仁をボランチに下げて、27橋本英郎は右ウイングバックに移動。「練習でもやったことがない」(西野監督)という布陣を組んで後半に臨んだ。

なんと、この采配がピタリ。ポジションを下げた⑦遠藤はボールに触る回数が増えて核となり、高い位置でボールが受けられるようになった⑬安田の積極的なドリブル突破も目立つようになった。前の選手を追い越してポジションチェンジしていく動きも増して、本来のG大阪らしさが復活。後半10分の⑬安田のゴールは、そんな流れが生み出したものだった。

個性を遺憾なく発揮した⑬安田はもちろんのこと、西野監督のひらめき采配に対して、柔軟な回答を導き出した⑦遠藤、21加地、27橋本の3選手。G大阪は指揮官、選手共にクリエイティブなサッカーを実行したといえるのではないだろうか。

相手の良さを消すために素晴らしい戦術を用いた川崎、そしてさらにそれを上回るためにさらなるクリエイティビティーを発揮したG大阪。お互いがチームの持ち味を出し切り、ベンチワークも含めて、非常に見ごたえのある試合が楽しめた。

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