わざとぶつけてコースを当てる
GK泣かせの“インザーギFK” |
菊地 エジプトのゴールになったFKを取り上げておこうか。俗にいう“インザーギFK”。
北 昨シーズンのチャンピオンズリーグの決勝で、ミランのピルロがゴール正面から蹴ったFKが、インザーギに当たってコースが変わって決まったというものなんですが、それとほとんど同じ形でした。
菊地 偶然っぽく見えるわけだけど、狙っているということなんだよね? キッカーは走っている選手を目掛けて蹴って、当たってコースが変わるのを狙ったり、当たらなくてもGKが惑わすのを狙うという。1年前ぐらいに「触っても触らなくてもゴール」という、サイドのクロスをするエリアから、インカーブのボールでゴールマウスを狙うというシュートが流行って、本誌でも取り上げたんだけど、それのゴール前FKバージョン。これは面白い。
北 もしかしたら明日の報道では「不運な失点」と出るかもしれませんが、おそらく狙って打っている可能性は十分ある。ああやって味方に当たってコースが変わったらGKとしてはどうしようもない。GKはシュートが誰かに当たることを想定して飛びませんから。
菊地 また一つ、GK泣かせのプレーが生まれたといえるね。
北 俊輔も遠藤ももちろん素晴らしいFKを持っているんですけど、U-17ワールドカップで決まったクイックFKとか、GKのタイミングをズラすことを意識するべきなのでは。真っ当にコースを狙うものだけでなく。
菊地 ゴールの確率を上げるために、間口を広げるための作業はもっとしてほしい。それこそこのパターンのFKで、巻誠一郎あたりを飛び込ませてみればいい。
北 いくらでも飛び込みそう、嬉しそうに(笑)。
菊地 このFKに関しては次号で取り上げるかもしれないのでお楽しみに。ただ、実戦するのが難しいな~。
北 誰が当たり役になるか、くじ引きしないと(笑)。
菊地 それと、今日の前田のゴールがそうだったんだけど、起点を追い越していく動きが生かされたなと感じた。
北 俊輔と山岸智という選手の格ではどっちが上かといったら、間違いなく俊輔だと思うんですが、このチームに当てはめると山岸は悪くない。前田が下りてきて、山岸が追い越していくパターンから、いいプレーが生まれている。ポストプレーヤーを追い越していく選手がいるのは大きい。これまでの俊輔、遠藤は出し手っていう感じだったので、そういうプレーが少なかったから。
菊地 いちばんの解決策は俊輔と遠藤がそれをやること。僕の中のオシムサッカーのポイントは「うまい選手が走るようになるか」だから。最初から走る選手が走るのは当たり前だから。
北 でも、俊輔と遠藤はオシムジャパンでの「格」みたいなものが上がってきている。そうすると今までのようなプレーになってきてしまう。そういう意味では山瀬功治には期待しているんですが……。
菊地 山瀬のゴール前での決定力と、山岸の運動量、俊輔、遠藤のパス能力が攻撃的MFには求められる。それを3つ合わせている選手が理想なわけじゃない? だけど、日本の選手はどれも一つずつしか持っていない。その点でいえば同一線上からのヨーイドンなわけ。山岸もパスをさばけるようになればいいわけだし、ここからの勝負だと思う。
北 でも、山岸が俊輔のようなテクニックを身につけるのは難しい。だから、俊輔、遠藤クラスが頑張って走るようになることに、期待しちゃうんですよね。
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