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トップマッチレポート>高円宮杯第18回全日本ユース 流通経済大学付属柏高校-サンフレッチェ広島F.Cユース

Match Report マッチレポート


2007/10/9

高円宮杯第18回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会

安藤隆人(サッカージャーナリスト)、菊地芳樹(本誌) 構成
ユース界の秋のビッグトーナメントとして定着した、高円宮杯全日本ユース選手権。今年もたくさんのハイレベルなチームがしのぎを削りました。今回は、この世代のサッカーを緻密に取材している、「ユース教授」こと安藤隆人氏をお迎えしての対談レポート。決勝と大会を振り返ると共に、近年複雑化しているユースサッカー事情を整理します。

STRIKER DX名物 対談レポート
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クラブと高校の垣根なく
チーム単位で語るべき

菊地 一応離れずに、何年かこの大会を見ているんですけど、最近感じるのは、クラブユースの監督さんが精神論を唱え、高校の監督さんが技術・戦術に固執するような部分があること。昔と逆転したなあと、面白く感じているんですけど。安藤さんは、この大会で最近感じる傾向などはありますか?

安藤 そうですね。やっぱり個性的なチームが勝ち上がってくるようになりましたね。出場チーム自体も個性的なところが増えてきたかなと。オーソドクスなチームは、プリンスリーグを突破できない。個性あるチームが、長所を出し合う面白い試合が、グループリーグの段階でも増えてきました。

菊地 確かに。

安藤 それに、今はクラブユースも高校も垣根がなくて、結局チーム単位で見なければいけないところにきている。例えば、広島がクラブユースの典型かといったら、学校的な要素もかなり強いと。

菊地 みんな寮から同じ学校に通っていると。一方で高校側もクラブユース以上の環境、指導体制を整えているところもある。

安藤 人材確保という面でも、今、強い高校は中高一貫体制が多いんです。全国中学校サッカー大会で、最近好成績を挙げているのは、一貫体制のところの中学ですよ。そうしたいい選手たちが高校に上がってくる。一貫じゃないところでも、地元に優秀なジュニアユースのサッカークラブがあって、そこから選手が多く入ってくるようになっているところが多い。高校のクラブ化ですよね。

菊地 高校の3年間では育てきれないから、中学からという監督の話を聞いたことがありますね。

安藤 実際にクラブユースとの選手獲得競争に、勝っている高校もあるんです。だから、ユース、高校というのではなく、チーム単位でいいのか悪いのか、他と差があるのかなどを見ていかないといけないんです。どっちがいいか悪いかよりも、どのチームが面白いのかをもっと語るべきじゃないかと。

菊地 なるほど。

安藤 それに、クラブユースのチームというのは、大体1学年10人。トータルでも40人くらいの規模でやっている。だから、そこに選ばれなかった選手たちはすごく多いし、その中で流経大柏みたいにクラブユースに追いついて、頂点に立つところもあるわけです。

菊地 大前もこの3年間、自分たちが伸びた手ごたえを感じているようだったよ。そういう逆転だって大いにあるわけだからね。

安藤 上まで行く道は多様にあるんですね。だからユースに入れたからいい。入れなかったからダメではない。

菊地 逆に今度はクラブユースのほうが、練習量が少ないということで、才能を飼い殺しにしているのではと、突っ込まれることも多くなってくるのでは?

安藤 実は今ユースに関しての本を書いていて、すべてのJクラブの強化担当の方に話を聞いたんです。みんなそれを問題にしている。ただ、物理的に学校との提携などが不可能な地域もあるんですよね。例えば東京で、クラブユースの選手全員を同じ高校でまとめるのは無理ですよ。学力にも個人差があるし、クラブ側の費用負担の問題もある。広島も吉田高校という非常に理解ある学校の協力があるので、現在のやり方が成り立っているわけですし。広域から選手を取ってくる性格がある以上、大変だなあと同情できるところがあるんです。まあ、チームによって学校と提携するところが出てきてはいるんですけど。

菊地 じゃあ、安藤さんはいろいろ取材してきて、それでもクラブユースがオススメなのか? 環境がしっかりした高校のほうがオススメなのか?

安藤 そこは、個性の時代ですから。それこそ白黒ハッキリさせなくて、グレーでもいいんじゃないかと。選手各々がどのチームが合っているのかを考えるのが大切ですよね。でもまあ、ここは親も関係してくる話で、やっぱりクラブユースに入れると「プロへ少し近づいたわ」と。

菊地 それは、あるわなぁ。

安藤 それが、デカイんですよ。

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