決勝
12月29日(金)/11:30キックオフ/東京都・国立競技場/観客10175人/試合時間80分・延長20分
ガンバ大阪ジュニアユース 2(0-0、1-1、0-0、1-0)1 FC東京U-15むさし |
決勝で戦うG大阪とFC東京むさしは1次リーグで1度対戦しており、このときはノーガードの打ち合いを6-3でG大阪がモノにしている。準決勝まで6試合30得点という圧倒的な攻撃力は、すでにFC東京むさしは体感済み。「パス、ドリブルの判断が良くて、プレスに行けば簡単に叩かれて、裏の突かれるのがオチだった」(⑥年森勝哉)。
だが、前半のFC東京むさしはG大阪の攻撃力をほぼ完璧にシャットダウンする。最終ラインを高く保ち、相手DFまでプレスに行き、苦し紛れのボールを出させ、⑦宇佐美にいい形でボールを持たせない。山口隆文監督のいう「コンパクトフィールドの形成」を徹底することで、⑦宇佐美の選択肢を「強引なドリブル」、「後ろに戻す」に限定させた。前半で⑦宇佐美が輝いたのは39分に右サイドを単独突破した場面のみだった。
それでも「個々の技術には違いがある」(山口監督)と敵将も認める、タレント軍団の破壊力はさすが。53分、中央から⑩望月聖矢がDFの背後を取った⑨原口拓人にスルーパス。右サイドから⑨原口がダイレクトで折り返すと、⑪大森晃太郎が右足アウトで触って先制点をもぎ取る。それまでの52分間は自分たちの思い通りの展開だっただけに、むさしイレブンの落ち込みぶりはスタンドからでもハッキリとわかった。
だが、彼らを奮い立たせたのが“サポーター”だった。失点後、準決勝で敗退した深川、ユース(U-18)のメンバーによる応援団が、ゴール裏に向けて「鹿島アントラーズ!」コールを始める。続けての「一緒に応援!」コールで、ゴール裏の鹿島サポーターにFC東京むさしの応援をしてくれるよう呼び掛ける。「FC東京」コールには鹿島サポーターの手拍子が加わって、会場全体がFC東京むさしを後押しするムードに。
これでFC東京むさしの消沈ムードは一気に吹き飛び、失点前のがむしゃらなプレスが復活。それが結実したのは66分、⑩重松健太郎が高い位置で相手ボールを奪うと、DFラインの裏に走り込む⑥年森へスルーパス。⑥年森は「GKが前に出ていたのが見えたので」と右足インサイドでGKの頭上を抜くループシュート、これが逆サイドネットに決まり1-1の振り出しにする。だが、追加点まではたどり着けず勝負は延長戦へ。
この延長戦で勝負を決めたのは、やはりG大阪のエース⑦宇佐美だった。「80分間はもちましたが延長に入って宇佐美をフリーにしてしまった」(山口監督)、FC東京むさしDFをドリブルでちぎり、決定機を1人でどんどん作り出す。そして延長後半1分、ペナルティーエリアの左サイドでパスを受けると、1人をかわしてすぐに――GKのタイミングを外すテンポで――シュート。⑦宇佐美のストライカーとしてのセンスを感じさせるゴールで勝ち越し、G大阪が高円宮杯(U-15)の王者となった。
G大阪はスタメンの割合が2年生が6人、3年生が5人という、2年生主体のチーム。⑦宇佐美はユースに昇格するが、彼らならば第15回、第16回のヴェルディ以来の連覇も十分に狙えるだろう。
ガンバ大阪ジュニアユース・鴨川幸司監督
「2年生が多かったので、夏までは優勝できるとは思っていなかった。夏を過ぎて3年生とのフィジカルの差がなくなったことが大きい。宇佐美は今日は何もしていなかった。ワンプレーは良かったけど、もっとああいうプレーを出さないと。相手が挟みに来るから、足元でもらうだけでなく動き出したりをしないといけない」
ガンバ大阪ジュニアユース・⑦宇佐美貴史
「みんなで勝ち取った優勝なので感動しています。前半はブロックで守られて全然ダメだった。後半からはつなぐようにして良くなった。ゴールは清水戦でも同じように決めている。かわしてすぐに打つという」
FC東京むさしU-15・山本隆文監督
「ガンバの攻撃力を封じ込めたという意味ではいいゲームだったと思います。重松と碓井(鉄平)の2トップを固定してきましたが、今日はボランチの松本(和茂)が出場停止だったので重松を一つ下げた。初めての布陣でよくやれたと思う。あとは攻撃のクオリティーの問題。今日の試合から彼らが何かを感じ取ってくれて、次につなげてもらいたい」
FC東京むさしU-15・⑥年森勝哉
「こういう大舞台でできることは自分にとっても素晴らしいことだし、チームにとってもいいこと。仲間を助け合う、フォローアップは全て出せたくらいだと思います。(ゴールを決めたときの気持ちは)気持ち良いの一言。GKが出ていたので打ってみようと思って。入ってよかった。ユースに上がったら、先輩たちのプレーを見習って自分の能力を上げていきたい」
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