STRIKER DX

ストライカーデラックス
BookBeyond コンセプトは学ぶ+知る+育む
トップページ マッチレポート コラム トピックス セレクション バックナンバー ムック リンク
最近のレポート
更新一覧へ
トップマッチレポート>高円宮杯第17回全日本ユース(U-18)選手権 決勝 滝川第二-名古屋グランパスエイト

Match Report マッチレポート


2006/10/9

高円宮杯第17回全日本ユース(U-18)選手権

菊地芳樹(本誌) 取材・文

決勝
滝川第二 3(1-0、2-0)0 名古屋グランパスエイトU18

得点者
(滝)森本、多田、友定

大会途中から、勢いを感じさせていた滝川二が、一気に頂点まで上り詰めた。今年で同校を離れる黒田和生監督。そんな監督を日本一にして胴上げしたいというチーム。これらが勝ち進むにつれて格好の話題となり、モチベーションはどんどん強大になっていった。今大会、各チームのパフォーマンスは拮抗していただけに、そんな気持ちの部分が多くの試合の勝敗を左右した印象を受けた。

立ち上がりはお互いにチャンスも少なく、イーブンな展開で進んだ。その中19分に突如、滝川二の⑨森本健太の、まさに目の覚めるようなミドルシュートが決まる。ペナルティーエリア右角付近でのルーズボールを、⑧金崎夢生が拾い、密集を抜け出そうと中にドリブルしたそのボールを、⑨森本がダイレクトでゴール右上に蹴り込んだ。

しかし、直後からペースは、追いつこうとする名古屋がつかんでいく。CF⑩久保裕一のポストプレーや左右からの展開。あるいは中盤の⑳福島新太や左FW⑲新川織部のドリブルなど、バリエーション豊かだ。確かに「前半は圧倒できた」(名古屋・朴才紘監督)「名古屋さんの鋭い攻めに押されっぱなしになった」(滝川二・黒田監督)と、両チームの見解は一致している。だが、今一つ迫力に欠けたのは、準決勝同様、右FWに位置する⑦花井聖絡みでしか、シュートシーンが作れないからだろうか。

名古屋は前半4本のシュートがあり、うち3本が⑦花井から。1本が非常に惜しくて、FKがクロスバーに当たった。これが入っていたら展開が変わっていたかもしれない。が、セカンドボールを拾いまくって、2次攻撃、3次攻撃と繰り返していたわりには、シュートまで持ち込むことが少なかったのである。名古屋は前半のうちにゴールできなかったのが痛かった。

後半、名古屋は5分に左サイドバックの⑫後藤雄平が、競り合い絡みで足をつらせてしまい、④津田真吾と交代。その④津田が、16分にペナルティーエリア内で敵へのファウルを取られ、滝川二のPKとなる。このPKは⑧金崎が外し、名古屋は望みをつないだ。しかし、DFラインを3人にして右前に⑱奥村情を入れるものの、うまく機能せず。「準決勝に出ていないこともあって硬くて、十分に力を発揮できなかった」(朴監督)。それでも滝川二のDFライン裏に再三スルーパスを通したが、これもことごとくオフサイドを取られ、チャンスをつぶしてしまう。

逆に耐えていた滝川二は35分に、右の⑨森本からの横パスをゴール正面で受けた⑪多田高行が、左足を一閃。ペナルティーエリア外からゴール右下にミドルシュートを決める。42分には正面35メートルほどの位置からのFKを、交代出場の⑯友定晃大が豪快に左上へ決めて3-0とし、試合を決めた。

優勝した滝川二には、球際のプレー、敵より先にボールに触る一瞬のスピードや、浮き球に対する反応など、いい面がたくさん見られたが、何といってもこの日目立ったのは豪快なミドルシュート3発だ。もっとも、この試合に限らず、滝川二にはペナルティーエリア外からのシュートの積極性が見られていた。強いていえば今日などは、敵DFラインの前でラストパスに固執していた感のある名古屋との差が、現れた形のゲームだったのかもしれない。滝川二の選手たちによれば、ミドルシュートは普段の練習には組み込まれているが、それほど意識しているものでもない様子だった。とにかく、それがいいか悪いかは別にして、ミドルシュートで試合が決まるという世界的な傾向が、ユース年代のゲームにも出てきているということだろう。

日本一になった滝川二には、もう一つ高校選手権という目標がある。これで各チームからのチャレンジを受ける立場になったが、「見えない結果を恐れるのではなく、もっと進化したチームを目指したい」(黒田監督)とのこと。チャレンジャー精神を忘れずに、厳しい戦いを制し続けることができるのかどうか。今後の見どころとなる。

滝川第二・黒田和生監督
「何よりの収穫は、今大会を通じて初めて失点ゼロに抑えたこと。ヘディングの競り合いに、至るところで負けていたのだが、相手に食らいついて最後の仕事をさせなかった。練習時間はあまり多くはないのだが、選手たちは90分よく走り、よく蹴り、いろんな意味で驚く収穫がたくさんあり、若者の伸びに驚いている。改めて本当にいろんな人のおかげで、助けてもらいながら、選手たちはいいプレーができた」

滝川第二・⑧金崎夢生
「前半はFWがキープできずに苦しんだけど、後半は相手の運動量が落ちたのを感じ、自分たちのペースで戦えました。優勝は何か夢みたいな感じで、実感が湧かないですね」

滝川第二・⑥山本翔太
「準決勝で初の国立1勝をして満足せずに、こういう大きな大会での決勝の舞台を戦えるチャンスはもうないかもしれないから、絶対に勝とうと、最後まであきらめずにボールを追おうといっていました。向こうは攻撃から守備への切り替えが早く人数をかけてくる。でもウチは前からどんどんアプローチしていって守備に人数をかけて、いつでも攻撃につなげられるようにしていた。常に攻撃のことを考えていたことがよかったと思う」

名古屋グランパスエイトU18・朴才紘監督
「準決勝と比べて、選手たちは見違えるような出来でよくやってくれた。前半相手を圧倒できたのは素晴らしかったが、一番いいときに相手のスーパーシュートが決まってしまい、こちらも決定機を決められなかった。準優勝も素晴らしい結果なので、胸を張って帰りたい」

名古屋グランパスエイトU18・⑦花井聖
「もっとボールに絡んでいかなければいけなかった。高校サッカー独特の応援、メガホンとか使っていて、集中できなくてイヤだなと思った。先に点を取られて、いい攻撃ができなくなって、向こうにペースを握られてしまった。滝川二は中盤から前が速いのでやりにくかった。自分がもっと決めていればというシーンが何度もあったので悔しいです」

名古屋グランパスエイトU18・⑬吉田麻也
「立ち上がりから緊張していた。あっという間に時間が過ぎて先制され、バタバタしてしまった。この大会は守備がよくてここまで来たが、点を取れないことが結局課題になりました。滝川二は最後で気持ちが強かった。こっちも勝ちたいし強い気持ちで臨んだが、向こうのほうがもっと強かった。でも、今回はチーム一丸となって戦えて楽しかったです」

このページの上へ 更新一覧へ

ストライカーDX トップ マッチレポート コラム トピックス セレクション/スクール バックナンバー ムック リンク