お母さんたちの
はじめてのサッカー経験
ついにこの日が来た、という思いだった。5月某日、東京都内の小学校で『サッカーママ』のための教室が開かれたのだ。
『サッカーママ』というフレーズを最初に知ったのは、もう3年以上前になる。サッカーをするお子さんを持つママさんを指すもので、自らがボールを蹴るという人は少数派とのことだった。だからといってサッカーをやりたくないわけではなく、子どもとの会話を弾ませるためにも、運動不足を解消する意味でも(こちらがメインだったり?)、興味はあるというママさんが多いことを知った。
それならばと、『サッカーママ企画』が立ち上がった。ママさんがサッカーにもっと興味を持ってくれれば、僕たちの好きなこのスポーツがさらに身近になり、草の根レベルで広がっていくと思ったのだ(正直に告白すれば、仕事になればいいなあという打算も少し)。
その第一歩が踏み出された。講師は福西崇史さんである。これがもう、最高のキャスティングなのだ。ワールドカップ日本代表のキャリアとさわやかなルックスを、現役時代のクールな印象とは違う軽妙なトークが際だたせる。
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| ボールを足で扱う感覚を体験するサッカーママたち |
レクリエーションの要素を含みながら適度に負荷のかかるメニューは、気持ちだけでなく体もほぐしていくものだ。ママさんたちが嬉々として取り組んだメニューの中には、実は福西さんが所属した日本代表やジュビロ磐田で行われていたものも含まれている。
最初はツマ先でそっとボールをつついていたママさんも、最後にはきちんとインサイドでキックするようになる。休憩をはさんだ1時間強にしてこの変化だ。福西さんのポイントを抑えた指導に感心し、ママさんたちの熱意に感服して……。
当日はあいにくの雨だったため、校庭ではなく体育館で教室が行われ、しかも突然の変更のために体育館の半面しか使えない状況だった。広い校庭を思い切り駆けてほしい、と個人的には思っていたのだが、これがとんだ間違いだった。「ホントは運動にあまり自信がなかったので、体育館でホッとしました」というママさんがいたのだ。それも、ひとりではなく。福西さんに聞いても、「いや、これぐらいのスペースのほうが、むしろちょうどよかったんじゃないですかね」とのこと。もちろん、校庭でもしっかりとしたメニューが用意されるので、その点は心配ない。
担当編集者さんの話によれば、「次はぜひウチに」というグループからのリクエストが、すでにいくつも寄せられているという。ご自身もふたりのお子さんを持つ福西さんは、サッカー選手だけでなく父親としての実体験に基づいたアドバイスも可能だ。
実際に企画として動き出すまでは、大きなことばかり思い描いていた。全国47都道府県をくまなく歩き、お子さんとママさんの大会を同時に開けたら、などと考えていたものである。
初めて教室を取材して、僕の中で何かが変わり始めている。「あんなに楽しそうなママの表情、初めて見るよね」というお父さんやお子さんの声が、今はとても楽しい。
※当日の詳しい様子については、ストライカーDX 2010年7・8月号をご覧ください |