|
前評判の高かったチームが苦戦
しかし、勝敗を決めたのはわずかな差
流通経済大柏、市立船橋の千葉代表が優勝を飾った大会でしたが、大会前の評判では、この両校はダークホース的存在でした。
本命にあげられていたのは、鹿児島城西です。
他に、野洲、東福岡、作陽、青森山田、前橋育英といったところが高い評価を得ていました。
こうした強豪校がどこもベスト4に残らなかったのですから、波乱の大会だったといえるでしょう。
ひとつひとつの試合を振り返ると、チーム力にそれほど差がないものばかりでした。
例えば、2回戦の市立船橋-矢板中央は、3-1というスコアだけを見れば市立船橋の快勝といえますが、市立船橋の得点は、審判の不可解な判定によるPKやカウンターがはまったものでした。
しかし、そういう試合をモノにするのが伝統校なのです。ちょっとしたスキをついて勝利を手繰り寄せるしたたかさが、強豪たる所以(ゆえん)といえるでしょう。
私は今年、矢板中央でもコーチを頼まれていますが、このチームもここまでは順調に強化されてきています。
ディフェンスに穴があるのが問題でしたが、これも今後解消されていくでしょう。
そしてもう1チーム、今年私が力を入れているのが、ベスト4に残った大津です。
今年になって新チームに生まれ変わってからのこれまでに、4度熊本へ足を運びました。
1回行けば5日程度は指導するので、延べ日数ではかなりになります。
その大津が、総体前に流通経済大柏と練習試合を行いました。
結果は5-0で流通経済大柏の圧勝。
大津の選手達はさすがにガックリしていましたが、私自身はあまり心配していませんでした。
流通経済大柏の練習場である慣れない人工芝でのゲームだったこともあり、ボールが足につかない場面が多く、本当に崩されたのは、5失点のうち1つか2つだけだったからです。
本番を想定して、試合後にはPK戦も行いましたが、ここでも流通経済大柏が4-2で勝利。
大津は、4人のうち2人が外したのですが、試合直後にPKの練習をみっちりやりました。
PKの練習は大会前日まで続け、その成果が表れて総体では2度のPK戦勝利を収めました。
3度目となる準決勝のPK戦でついに力尽きたわけですが、この市立船橋戦も勝てた内容でした。
大津は、流通経済大柏同様、前からボールを奪うプレスディフェンスが身上で、高校選手権でも大いに期待できるチームです。
もう1チーム、ベスト4に入ったのが佐賀東です。
鹿児島城西との九州対決を制して勝ち上がったのですが、非常にクレバーなチームという印象です。
進学校ということもあるのでしょう。状況に応じて適切なプレーが選択できる。
特に前線の3人のコンビネーションが素晴らしく、巧みにボールをつないでの攻撃が魅力でした。
その佐賀東に敗れはしましたが、鹿児島城西も評判どおりの好チームでした。
すでに鹿島入りが決まっているエースストライカーの大迫勇也が注目されていますが、チームとしてのレベルの高さも相当なものです。
私がたまたま鹿児島城西の試合を見たときは、大迫がGKと1対1になる決定機を外していました。
1つの場面だけで判断することはできませんが、選手権に向けて、より決定力を高めることが課題といえるかもしれません。
>ページ[4]へ続く
ページ |[1]|[2]|[3]|[4]| |