第6回 特別寄稿 高校選手権決勝戦展望 [ページ4/4] |
リーグ戦導入の思いを改めて強くした
最後になりましたが、ここまでの今大会を簡単に振り返ってみようと思います。
決勝こそ流通経済大柏対藤枝東という強豪同士の対戦になりましたが、他の有力校に目を向けると、決して順当な試合が多かったわけではありません。
多くの有力校が、期待に沿えずに早期敗退した例が多かったのが特徴的でした。
前橋育英、鹿児島実、作陽、岐阜工、大分鶴崎、東福岡、星稜、青森山田、境などは、もっと勝ち進んでも不思議ではない好チームでした。
彼らがどうして敗れたかといえば、チーム間、地域間の格差がほとんどなくなったからに他なりません。
その一方で、ベスト8に進出した三鷹の快進撃があります。これまで勝てなかった都立校が3勝できたのもまた同様の理由です。
流通経済大柏を大いに苦しめた北越も然り。
つまり、全国大会に出場するようなチームは、ほぼ同様に高いレベルの選手を有しているのです。
当たり前と思われるかもしれませんが、かつてはそうではありませんでした。1回戦か2回戦で負けるのが当たり前のチームが、毎年10校くらいはあったのです。
トップレベルのチームの伸び悩みも混戦の1つの要因です。
先にも述べたように、極めて優秀な選手はJクラブのユースチームに進む傾向はいかんともしがたく、それが有力チームの成長を阻む原因になっているのは否定できません。
この連載で何度も提案している『高校選手権へのリーグ戦導入』の根拠の1つも、ここにあります。
1度の対戦、しかもちょっとしたコンディションの差や運不運で勝敗が左右されてしまうのは、あまりにもかわいそうではありませんか。
高校生にとって、最高の大会である高校選手権くらいは、すべてのチームが複数試合を戦える場であってほしい。
そして、日本独自の教育体系から生まれたこの素晴らしい大会を、より有意義なものにしていきたい。
今回もまた、長い時間をかけて準備してきた数多くのチームが、たった1試合戦っただけで、舞台から去っていきました。寒冷地で苦労を重ねてきたチーム、遠方から多くの期待を背負ってきたチームが1試合だけで帰っていく姿を見るにつけ、気の毒な気持ちになるのは私だけではないはずです。
近い将来に、せめて2試合、3試合と戦える晴れ舞台になってくれるよう、願ってやみません。
昼間聡欣(本誌)取材・文
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