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古沼貞雄 情熱 著: 元川悦子
古沼貞雄 情熱
著: 元川悦子
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高校選手権へのリーグ戦導入に向けて アンケート集計結果発表

第4回 全日本ユース“3連覇”達成記念 特別インタビュー [ページ2/2]

『勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし』

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昨年の滝川ニも、いいチームでしたね。

古沼
黒田さん(和生ヴィッセル神戸育成部長/前滝川ニ監督)には、「いいチームだけど、こんなところを修正すればもっとよくなるんじゃない」という話をしていたんだ。
「それじゃあお願いします」といわれたのが2年前で、それ以来、ことあるごとに神戸まで行くようになった。
特に昨年は、黒田さんが国体の監督をしていた関係で何回も往復した。全日本ユースのときも、準決勝までの大事なときに本大会とぶつかってしまったんだよ。それでその5日間、黒田さんに代わってチームを見ていた。
「全国の準決勝までは4回行きましたが、その壁を破れないので何とかお願いします」と選手の父母からいわれてね。約束を果たせてホッとしたのを覚えている。

ストライカーDX
ヴェルディユースの優勝は、帝京を離れてヴェルディに入った年でした。

古沼
全日本ユースの前に、クラブユース選手権があって、そこでも優勝した。ヴェルディにとっては実に11年ぶりだった。

ストライカーDX
ヴェルディユースを初めて見たときは、どんな印象を持ちましたか。

古沼
ヴェルディには育成部アドバイザーとして入ったんだけど、やっぱり技術的に優れた子が多かった。こんな選手が5人もいれば、帝京なら毎年選手権で優勝を狙えると思ったくらい。
でも、練習では申し分ないんだけど試合になると持っている技術を出せない。それはヴェルディに限ったことではなくてクラブチームに共通した印象だったけど、技術的には優れていても攻守の切り替えの判断が甘かったり、運動量が少なかったり……。そういう選手が多い。
特に気になったのがサッカーに対する基本的な部分で、ボールはキープしてものんびりしてなかなか前に行かなかったりする。そういうところが勝負の分かれ目になると思うんだけどね。
ジュニアやジュニアユースのときは目につく選手でも、ユース、トップと上がるうちに普通の選手になってしまうのは、そういうところに原因があると思う。
クラブ育ちでそのままトップまで上がれる選手はほんの一握りに過ぎなかったりする。私が今のユース世代の育成に強く疑問を感じているところだね。
心技体とよくいうけれど、技術、身体、心がすべて正比例して成長するものではない、ということなんだよ。特にクラブには、技術だけで心と体が伴っていない選手が多いように感じる。

ストライカーDX
柴田(峡)監督にとっても、ヴェルディに入ってすぐの快挙でした。

古沼
彼はFC東京から移ってきた指導者。
今はそうでもないけど、当時としてはJにいながら別のチームに行くというのは珍しいこと。聞けば、FC東京ではジュニアユースを見ていたらしい。ヴェルディに行けばユースを任せてくれるというのが魅力だったんだろうね。
彼は東京の出身なので、高校時代から私のことを知っていたようで、ヴェルディではいろいろと意見を求められた。「走れないねえ」とか「ボールへの寄りが甘い」、と話したのを覚えている。
さっきもいったように、技術はあるけど基本的なところで甘さがあるんだよ。サッカーの知識、特に試合に勝つにはどうすればいいかという部分が不足しているんだ。
私が指摘した成果というわけではないけど、春の段階ではなかなか勝てなかったヴェルディが、夏にはずいぶんよくなっていった。

ストライカーDX
3つのチームで優勝を経験して、何か共通点はありますか。

古沼
『勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし』という言葉がある。
「よく勝てたなあ」と感じるとき、つまりどうして勝てたのかわからないときはあっても、負けるときには必ず理由があるものなんだ。
3チームに共通していえるのは、どれも「よく勝てたなあ」と感じた試合がいくつかあったこと。
でも、自分たちから見れば「よく勝てたなあ」なんだけど、試合が終わってしばらくしてから相手の立場になってみると、やっぱり敗因があるものだんだ。それは手に取るようにわかった。
もう1つ共通していえるのは、どのチームにもしたたかさがあったこと。「勝ちたい」という意欲が強かった。
平均以上の技術や体力があって、そのうえでそういう精神面の強さがあったことが、共通点といえるね。

ストライカーDX
ところで高校選手権に向けては、どこのチームを見ていく予定ですか。

古沼
もちろん流経は今後も見ていくだろうね。選手権の千葉予選では(総体で優勝した)市船との決勝になると思うけど、大変な試合になるだろうね。
他にも何チームか指導することになると思う。

ストライカーDX
今日はありがとうございました。

昼間聡欣(本誌)取材・文

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